第6回 J・VIGミーティング 勉強会開催
~組織マネジメント力向上手法について~
2025年10月22日、経営環境検討委員会は東京都中小企業団体中央会と共催で「小規模事業者持続化支援事業」の一環として、赤坂インターシティAIR4階405号室で年次セミナーを開催しました。
本年度のテーマは「映像関連事業で生き残るための会社経営術~組織マネジメント力向上手法について~」です。
制作費削減、人材不足、物価高騰、若手育成の難しさなど、映像業界を取り巻く厳しい状況に対し、持続可能な成長の方向性を模索しました。
第1部では、大﨑会長(asyouare株式会社)をはじめ、業界の最前線で活躍する経営者が登壇し、変化への適応と挑戦の重要性についてディスカッションが行われました。
進行の榮永社長(株式会社PASSION)より、映像業界が直面する課題は依然として深刻であるとの見解を示され、「この業界を明るい未来へ導くためには、経営者同士が課題を共有し、意見交換を重ねていくことが大切である」「業界を目指す若い世代がこの世界に入って良かった」と思えるような環境を残すことが我々の使命であるといったお話がありました。
それを受けて大﨑会長はご自身の経験を振り返りつつ、テレビを中心とした従来型のエンターテインメント産業だけでは生き残るのが難しい現状を指摘されました。
「馬車が道を埋め尽くしていた時代が、数年で車に置き換わったように、それくらい時代は急速に変わる。その前提を認識しなければならない」とのお言葉をいただき、時代の変化に気づき、勉強会などを通じて新しいメディアを理解しながら、適したコンテンツを作ることの重要性を強調されました。
また、日本が国産の映像配信プラットフォームを持たない現状に触れ、世界の動向に追随しつつ、日本独自の価値を創出すべきだとの考えを示されました。


杉村社長(株式会社SOLIS produce)からは、自社で進めている働き方改革の取り組みについて紹介されました。
その中で、勤務時間の厳格化が進む一方で、社員一人ひとりが自らの働き方を意識し、限られた時間の中でいかに効率的に成果を上げるかが重要であると強調しました。
また、社員自身が考え、学び、成長する意識を持てる環境がなければ、生産性の向上は実現できないとの考えも示されました。
安井社長(ヴェルト株式会社)からは、「ハラスメント対応の厳格化に伴い、マネジメントの重要性が一層高まっている」旨の指摘をされました。
一方で、会社の規模が拡大するにつれ、一定数の事案が発生してしまうことは避けられず、聞き取り調査において担当者の感情(フィルター)が影響し、正確な情報の共有が難しくなる点が課題であるとお話しをされました。


第2部「くるま座の会」では、参加者が4グループに分かれて議論を行い、新しいメディアの活用、人材確保、若手育成、そして新規収益モデルの構築について意見交換が行われました。
電車内モニターやタクシー、エレベーター内広告といった新たなプラットフォームが産まれていること、自社を退職してしまった人材との共存、若手が失敗を恐れず挑戦できる場の提供が今後の課題として挙げられました。
また、YouTubeやTikTokなどの配信メディアを活用した新規収益モデルの可能性も議論され、経験やノウハウの蓄積が業界全体の発展につながるとの認識が共有されました。セミナー終了後も意見交換を行う場面が見られるなど、白熱した議論が交わされていました。

最後に谷事務局長の総括では、「今後の業界発展に向けて皆様のご協力をお願いしたい」と期待を示されセミナーは終了しました。
文責 経営環境検討委員会 ヴェルト株式会社 今川 裕二

