株式会社セップ
- 所在地 : 東京都港区六本木3-16-35
イースト六本木ビルB1F - 電 話 : 03-3585-3959
- FAX : 03-3585-3770
- 代表取締役社長 : 高橋 嘉幸
「広報委員が行く!会社訪問」第29回は、スペースシャワーTVから独立して22年、 数々のミュージックビデオやCMなどを手掛ける、映像プロデュースのプロフェッショナルである『株式会社セップ』の代表取締役社長(現、取締役会長)、梶田裕貴さんを訪問。会社の成り立ちからお聞きしました。
インタビュアー : 広報委員 (株)Fuzea 佐藤史幸
写真撮影 : 広報委員 WACホールディング(株) 岡村 宇之
(2015年9月取材)
Q.初めに、株式会社セップの成り立ちから教えてください。 1989年、親会社のスペースシャワーTV(現株式会社スペースシャワーネットワーク)が開局当時、セップはスペースシャワーTVの制作部で、セップという会社はその当時はありませんでした。ちょうどその頃、日本でも、欧米から遅れること10年、ミュージックビデオが制作される時代になってきていました。
Q.日本でミュージックビデオが本格的につくられたのが1990年代なんですね。 その当時、ミュージックビデオ専門のプロダクションって、ほとんどなかったんじゃないかと思うんです。そんな中、音楽チャンネル・スペースシャワーの制作部に、ミュージックビデオを作ってくれないかという依頼を頂きまして、それもきっかけの一つで、1993年に制作部を独立させて、株式会社セップを設立しました。
Q.なるほど。セップとはどういった意味ですか? セップ(SEP)の名前の由来は、現在うちの社員でも由来を知っている人間は、ほとんどいないと思いますが、実は、スペースシャワー・エンターテインメント・プロダクションの頭文字がセップです。
Q.それは貴重ですね。では、セップの特徴とは? 基本的にクリエイティブ集団です。制作部にプロデューサーおよびプロダクションマネージャー、演出部に監督を抱えています。撮影、照明、美術、本編集などは全部外注で、監督も同じく、企画に合わせて社内の監督、社外の監督をセッティングします。強みは音楽映像のプロ集団であるということです。ただ、音楽映像のみに特化しているわけではありません。他の一般企業様のVPであったり、CMであったりも制作しています。
Q.梶田社長が制作の世界に入られたきっかけとは? 僕は早稲田大学を卒業し、中京テレビで6年ほど、AD、ディレクターをやりました。その頃、スペースシャワーTV開局時に、ヒップランドミュージックの社長であり、スペースシャワー取締役の中井猛さんに、スペースシャワーに来ないかって誘われたのがスペースシャワー入りのきっかけです。
Q.中京テレビに入って、初めて担当した番組はどんな番組でしたか? 初めて担当させていただいた番組は、『5時SATマガジン』という番組で、ローカル番組なんですけど、音楽業界では結構有名でした。
Q.その後、セップではどのような作品を手掛けたのでしょうか? 僕が、プロデュースしたのは、L’Arc~en~Ciel、SMAP、THE YELLOW MONKEY、GACKTなどのミュージシャンで、作品はいっぱいあります。
Q.苦労したこともありましたよね。 あるアーティストのライブDVDの編集段階で、ちょっとしたトラブルがあり、8日間、1秒も寝ないで、自分がディレクションしました。その間、スタッフは何時間かごとに、編集室の廊下とかで寝させて、自分は寝ずに仕上げたことがあります。最後のプレビューはスタッフ全員が寝ちゃったんですけど、僕は画残りや編集ミスがないか気になって、寝なかったですね(笑)。
Q.すごいですね。他にも印象に残っている出来事はありますか? 印象に残っていることはいっぱいあります。例えばアフリカのある国に撮影に行ったときに、砂漠のど真ん中で撮影していて、ふと気が付くと、背中に何かが当たっているんです。振り返ると警官がいて、「誰の許可をもらって撮影しているんだ」と背中に銃口が当たっていました。コーディネーターに撮影許可なんか要らないと言われていたのに、警官が来て、撮影を全部止めさせて役所に行こうと…..
Q.役所に行ったんですか? はい。支払う相手がいるという、部屋に入ろうとするんだけど、その部屋には入れさせてもらえない。部屋の前でさっきの警官が「自分にお金を渡せ」って言うから渡したんです。その扉の向こう(部屋の中)にいる誰かに、「僕から渡す」って言うんだけど、通してもらえず。仕方なくその警官に渡して、明日も撮影があるから「撮影許可証を出してください」と言ったら、「そんなものは要らない、もう大丈夫、どうぞ撮影してください」と言われて、次の日、そこで撮影していたら、また昨日の警官が現れて。またピストルを当ててくるんです。「ちょっと待ってくれ、昨日払ったじゃない」って言ったら、「あなたが払ったのは、役所で、自分はもらっていない」と言う。「いくら払えばいいの?」って聞いたら、昨日払った分と同じだけ払えと(笑)。
Q.怖いですね。ワイロみたいなものですか。 お金がらみでもっと怖い目にあったのは、今から20年ぐらい前、アジアのとある国に行ったときに、おそらく機材を持って入国出来ないと思ったので、向こうの外務大臣のコネで、空港に迎えに来てもらいました。それですんなり入国できたんです。「どうもありがとう」と言って。そこはうまくいったんですが、帰国するときに、また、その外務大臣がいるんです。送りに来てくれたんだと思って、「どうもありがとう」と言ったら、出国させないと。「なぜ」と言ったら、「お金を払え、と。お金をくれたら出国させてあげる」と。
Q.本当にすごい体験をされていますね。いろんな状況のなかでも、たくさん作品を創られていると思いますが、何か気を付けている点はありますか?
お陰様で、音楽映像をメインに制作しているプロダクションの中では、シェアはトップクラスだと思います。気を付けている点はもちろん、作品のクオリティー、アーティストの意向とかレコード会社の意向をいかに汲み取ってバジェット内でやるかというのは注意しています。作品そのものだけでなく、企画〜準備〜撮影〜編集の制作過程においても「おもてなし」ということです。
Q.「おもてなし」というのは。 企画の段階から、撮影の段階、納品まで、かっこいいものを創ればいい、というような作品創りはしていません。作品だけじゃなくて、受注して納品するまで、クライアントの方に、「作品の質、制作過程の質も、セップに頼んで良かったね!」と言われるような仕事ぶりを、できているかどうかは分かりませんが、目指したいと思っています。
Q.いいものが創れればいいというスタンスじゃないというのがすごいですね。 うちの会社は、「人々の記憶に残る作品を創る」ことが使命であると思っています。
Q.現在、社員は何名いらっしゃるんですか? 54名です。
Q.社員を雇う上で気をつけていることは? 人には多様性があるということです。うちの会社だったら「君はこうしなきゃいけない」という考え方ではなく、多様性があるからこそ、会社は面白くなると思いますので、多様性を受け入れるということですね。それと、弱みに焦点を当てず、強みを生かす、ということです。
Q.今後、こういった業界を目指す方へ、何か一言ありますか? 本人に、音楽が好き、映像が好きという前提があれば大変楽しい仕事です。僕は、生まれ変わっても、またこの仕事に就きたいと思っています。映画、CM、テレビ番組と、映像っていろんな種類がありますが、ミュージックビデオの制作が、一番自由だと思います。そういう意味でも楽しいです。
─ さて、ここで社員の方に、梶田社長についてお話を伺いました。
Q.梶田社長はどういう社長ですか? 梶田社長は、自分自身のことよりもまず社員のためになることを一番に考えてくれていると思います。特に社員一人一人に対しても分け隔てなく接する点に関しては、私自身も見習わないといけないところでもあります。
Q.株式会社セップに入社されたきっかけは? 前職はテレビ番組がメインの制作会社で働いていたのですが、ベースは、ミュージックビデオ班に所属しておりました。当時の先輩がセップ在籍時に、「俺の部下として働かないか?」と誘われて、入社したという感じですね。
Q.どのような作品をてがけたのですか? 代表作として挙げるならば、EXILEの『Ti Amo』、Mr.Childrenの『HANABI』、YUIの『CHE.R.RY』などです。
Q.最後に、入社後、自身の変化などあったら教えてください。 実は入社前は、監督志望だったんです。
─ ありがとうございました。
Q.それでは最後に、梶田社長にお聞きします。社員さんとのコミュニケーションを取る上で注意されている点とかがあれば教えて下さい。 半年に一度、全社員一人ひとりと面談をしています。この会社のルールであなたの仕事を邪魔していることはないですか、現場でもっとこうあったほうがやりやすいということはありますか、この組織で何か気になることはないですか等のヒアリング中心です。
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この度、梶田社長にインタビューをさせて頂き、代表として、またクリエイターとして一つの作品に対しクオリティーに妥協をしない姿勢がそのまま社員さんにも継承されていて、株式会社セップという何色にも染まらないカラーの社風である事が、お話からも強く感じられました。
また梶田社長が直接、社員さん一人一人に向き合う形の風通しの良い社内環境も社員さんの士気が高まる一つの要因なんだと思います。
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