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広報委員が行く!会社訪問

株式会社スポット

所在地:東京都港区西新橋3-15-3
上地ビル2F・7F
電 話:03-5777-2555
FAX:03-5777-2444
HP:http://www.spot-japan.co.jp/
代表取締役:塚田益章

 

「広報委員が行く!会社訪問」第9回目は、選曲・音響効果のパイオニアとして、数々の実績を誇る株式会社スポットに塚田益章社長を訪ね、具体的にどんな会社か又社長の人となりを、お聞きしました。

会社を訪問してまず驚かされたのが、音の仕込みをするルームが14部屋もズラリと並び(他に西麻布の分室にも7部屋)、まるでカラオケボックスを彷彿とさせる様に仕切られ、そこでスタッフのみなさんが整然と仕事をしていることと、さらに6万枚にも及ぶ音素材のCDを収めたライブラリーの棚が立ち並ぶ光景が飛び込んで来たことです。

 

――では、早速インタビューを始めさせて頂きます。

 

Q.まず、社名の由来について教えてください

塚田:会社名は、知り合いと自由が丘の飲み屋さんで考えたんです。 音響効果なので「サウンド」という言葉を使いたくて。その時に浮かんだのが「サウンド・プランニング・オフィス・ツカダ(Sound Planning Office Tsukada)」のイニシャルを取って「スポット(SPOT)」。簡単で覚えやすいし、エネルギーと集中力が感じられるので、すぐに決まっちゃっいました。

 

Q.会社を設立された経緯は?

会社を設立する前は、自宅で音効の仕事をしていて、フリーのアシスタントが二人手伝いに来てくれていたんです。その一人は前に勤めていた会社が倒産して、結婚する彼女の親に『会社員ではないと結婚はダメ』と反対されていた。そこで彼のためにも会社設立すると、保険にも入れるし、 会社員にもなれて結婚もできる…と考えて、これがいいきっかけだと思い、31年前に3人で 会社を立ち上げました(笑)

 

Q.設立当初からのモットーは?

会社を立ち上げた頃から「ファミリー」という言葉をよく使ってます。「会社はみんなで相互協力で助け合ってやっていかなくちゃいけない」、そして「会社に携わる家族全員が幸せになれれば!」というのがモットーですかね。

 

ここでそんな歴史の「株式会社スポット」さんの概要を――。

設立: 1980年3月15日
資本金: 1400万円
社員総数: 53名
営業種目: テレビ番組・映画などの選曲・音響効果
ビデオパッケージ・DVDなどの選曲・音響効果
テレビCM・CFなどの選曲
イベントなどの音響効果 など
主な業務: 【ドラマ】
『幸せになろうよ』(フジテレビ系)、『名前をなくした女神』(フジテレビ系)、
『グッドライフ』(関西テレビ系)、『水曜ドラマ「リバウンド」』(日本テレビ系)、
『家族法廷』(BS朝日)、『タイムスクープハンター シーズン3』(NHK総合)、
『ドラマチックサンデー「マルモのおきて」』(フジテレビ系)
『日曜ナイトプレミア「アスコーマーチ」』(テレビ朝日系) ほか

【情報・バラエティ】
『たけしの健康エンターテイメント! みんなの家庭の医学』
『食彩の王国』(テレビ朝日系)
『リンカーン』『クイズタレント☆名鑑』『あらびき団』(TBS系)
『めざましテレビ』(フジテレビ系)、『ザ・ベストハウス123』(フジテレビ系)
『シューイチ』(日本テレビ系) ほか

【映画】
『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(東宝系)、『阪急電車』(東宝系)
『プリンセス トヨトミ』(東宝系)、『アンダルシア 女神の報復』(東宝系) 他多数

 

Q.社長が音響効果の道を志したのは、やはり昔から音楽が好きだったんですか?

いや、きっかけはそんなことでは無いんですよ。

1970年2月にテレビマンユニオンが設立されて、僕は5月から友達とADのバイトをしてたんです。

で、TBSから来た音声の方に、「お前ら効果をやれ」と言われてそのまま勉強しました。
それが性に合って、38年間やってます。

 

Q.最初に携わった番組は?

一番最初にやったのは、日本テレビの長寿番組『遠くへ行きたい』ですね。 スーパーテロップに名前が最初に出たのもこの番組でした。チーフが海外に行っている間に、 「じゃ、僕の名前で」とデビューしちゃった(笑)。放送50回目ぐらいからやってました。

 

Q.一番印象的な番組は?

一番有名になったのは日本テレビの『アメリカ横断ウルトラクイズ』ですよね。 あのテーマ曲を選曲するのに、日テレのレコード室だけじゃ足りなくて、TBSのレコード室も使って選曲しましたね。あの曲は、「スタートレックのテーマ」に、別の曲のコーダ(エンディング)を付けたものなんです。

そして昔、『テレビセミナー』というTBSの番組があったんですけど、これも印象に残ってます。海外の教養番組で、テーマ曲に激しい曲を使ったのが、結構評価が高かったんです。 タイトルイメージと全然違う楽曲を使って、演出家やプロデューサーからウケたとういのが、 一番自信になりましたね。そういう冒険をして行くと、みんなが一目置く番組になりますよね。

 

Q.選曲に対する社長なりの思いは?

音楽も効果音も、表情を凄く沢山持っているんですよ。
その表情をどう使いこなせるかっていうのがね、大事なセンスとテクニックなんです。
いわゆるサウンドデザインです。僕は音をノーマルに付けておいて、どこか一ヶ所は必ず冒険するところを付けておく。それで監督がダメって言った場合は、すぐに普通に戻す。
「これ面白いじゃん」って言ってくれればそのまま行っちゃいます。そういうのをいくつも考えてやると、結構面白い。冒険心がないと、結構つまんないなって思います。
正解が無いですから、うちらは。

 

Q.若い社員に、その技術をどのように伝えているんですか?

一応、色んなこと教えますけど、やっぱり本人の努力じゃないですかね?
簡単に言うと、ドラマなら僕の付け方がありますよね。でも、他の人は必ず僕のマネをしないようにやってくるワケですよ。「社長と同じことしてたら、絶対自分は上にいけない…」と。
それはどこの社会の人でも同じだと思うんですけど。
そして上にいい人材がいると、それを見習ってくる人が結構いる。
そういう点では、うちはドラマや情報・バラエティに、それなりに名前が通ったのがいるんで、 彼らのテクニックや考え方など勉強して育っているのがやっぱり多いですよね。

 

Q.その他に、社員の方に何かアドバイスをされていますか?

仕事に関しては、MAの現場に行けば、教わることは周りに いっぱいあります。
演出家だけじゃなく、そこにいるADやオペレーター、音声さん でも意見いう人いますからね。
みんなでいいもの作ればいいんだから。そういう意味では、勉強することはどこにでも転がってるっていう話をよくします。
そして一日が終わったら、今日は何が勉強になったか、必ず復習しなさいって言うんです。
それと、仕事に影響なければ、昼間から映画観たければ行っていいって言ってます。それはそれで勉強になるんだから。時間の使い方は、自分でちゃんと考えろ。ただし迷惑はかけないようにしろってね。 

Q.社員の方は、やっぱり音楽好きの方が多いんですか?

会社に入る前から、音楽をたくさん聴いている人の方が、一人前になるのは遥かに早いです。
あと、どれだけ番組をいっぱい見ているか。
好きなスタッフは、学生時代から、番組を見て泣いたり笑ってるだけじゃなくて、どういう音楽やSEが入てるかとか、どういう付け方をしているかを聞いて、凄く勉強しています。

 

社員数53人というのは、音響効果の会社としてはかなり人数が多いと思いますが――

 

Q.社内のコミュニケーションをとるためにしていることは?

行事的には2ヶ月に一回、会社の中で懇親会を開いているんです。
店に飲みに行くと時間制限があるけど、会社だと6時から10時ぐらいまで出来る。
すると、ご飯食べて仕事に戻るスタッフもいれば、MAから帰ってきて参加するスタッフもいる ので、時間が長くないとコミュニケーションをとる意味がないんです。

 

Q.おつまみなど、どうしてるんですか?

毎回担当を決めて、3~4人で買出しに行きます。
尚且つ、ココ(7階)で、メインのモノは何か作るんです。
おでんやそうめん、カレーなど、みんなの得意分野に任せて作って食べます。      

Q.社員の方から、何かを学ばれることもありますか?

最近、うちの会社では「若年層会議」っていうのをやってるんです。
そして「ドラマ班」と「情報・バラエティ班」の両方が部会をやっていて、要望などが色々上がってくるんです。そういうのが、会社を見直すにはいいんじゃないかと思いますね。

 

ここで社員の方に、塚田社長と会社についてお話を伺いました。
技術プロデューサーの松下貴史さんです。(現在、頚椎部分の治療中なんです)

 

Q.塚田社長はどういう社長ですか?

社長は、とにかく社員を家族の様に扱ってくれる人。
その一例が、2ヶ月に一度、必ずやってる親睦会ですね。そして
新年会の挨拶では、必ず「ファミリー」という言葉を使ってます。僕らからしたら社長なんですけど「いい親父」という感じですね。

Q.社長の尊敬できるところは?

仕事に対してすごく誠実なんですが、仕事が終わったあとすごく不誠実なんです(笑)
そのメリハリが効いているところが尊敬出来ますね。

 

Q.社長は飲むとどうなるんですか?

陽気になりますよ。私10年いますけど、飲み会の席で、説教は全然されたことないです。
酒飲む時には、絶対仕事の話とかしないです。

 

Q.社長はカラオケにも行くんですか?

例えば、僕などを飲み屋さんに連れて行って、カラオケを歌え歌えと言うんです。
そして歌っている僕らの姿を見て社長が喜んでる。それで満足なんです。
でも、10年いますけど、社長が歌ってる姿、一度も見たことがないですね。
社長曰く「上手い」っていうんですけど、絶対歌ってくれないんです。
社員を楽しませて、自分が喜んでるっていうタイプの社長ですから、僕はすごく大好きです。

 

Q.社長の教えで印象に残るものは?

各個人の音楽のセンスについては、社長は何も言わないんですよ。
例えば、「どうしてこのシーンに、この曲なんだよ!?」みたいなことは全然言いません。
ただ、「次にまたそのディレクターさんから指名をもらえるように、自分を高めて売り込みなさい」ということを、社員に一貫して言っています。

 

Q.松下さんが今後、会社で目指していることは?

会社にある6万枚のCDも、容量の大きなサーバーに音楽データとしてシステム化を考えています。
そうなると各仕込み部屋と全部つながっているので、CDを誰が使ってるから使えないということも無く、10人同時に同じ音楽データを使えるようになります。
また、MAや生放送の時にも、CDを何十枚も紙袋で持っていくことなく、ハードディスクを持っていって、それを現場で開ければよくなります。
とにかく、退化するのではなく、時代に合わせて進化して行きたいと思っております。

 

逞しい社員がいらっしゃって心強いですが、続いて社長に戻って頂き、個人的なお話をお伺い します。

Q.社長も仕事での失敗ってありますか?

失敗例はいっぱいありますよ。
昔は6ミリで切ってたから、今聴くと聴けないだろっていうような編集してるワケですよ。
今はデジタルでキレイに切れるけども。だから昔のVTRとか、見られないですよ。
「あ、こんな編集してんだ」みたいな。だから昔のVTR、一回全て捨てたことありますよ。
見直しても意味がないし、欠点が見えるばかりだから恥ずかしくて!(笑)

あとは、暮れの忙しい時に久米宏さん司会のレギュラー番組の生放送開始の時に寝てしまって、 オープニングの音が出なかったとかね。でも、その時には制作や演出には怒られなかったですね。どういうワケかその時が一番視聴率が良かった(笑)。オープニングのインパクトが強かったんですかね(笑)
だからその演出家と会うときには、「じゃ、塚田またやって。寝ててくれていいから。」
なんていい笑い話になってます。

 

Q.社長はプライベートではどんな音楽が好きなんですか?

常に聴いているのは特にはないですけど、リズム&ブルースが 好きですね。日本の演歌みたいな感じのところがあるし。

 

Q.実践している健康法ってあります?

医者がとにかく運動しろっていうんで、ゴルフは健康の為に行ってる。歩いたりジムに行ったりっていう時間はないけど、ゴルフだけは、決めちゃったら行くしかないってところがあるので。

 

Q.ゴルフ始めてどのぐらいなんですか?そして最高スコアは?

30年ぐらいですよ。若い時は、あんなに早く起きて行こうなんて全然思わなかった。
最高スコアは68。4アンダーだったかな。(一同ビックリ!)

 

Q.数々のエピソードと社員に愛されている社長に、今後の会社に対しての、夢・希望を お伺いします。

今の経済状態だとほとんど不可能に近いんだけど、今は廃止している退職金制度を、みんなの将来の為に、もう一度やってあげたいな…と思ってるんですよ。これが一番の目標かな。
冒頭に申し上げた、『会社に携わるスタッフ及び家族全員が幸せになれれば 』と思っています。

 

広報委員の後記!

インタビューをしていて塚田社長は、五感が研ぎ澄まされていて、尚かつ穏やかで円満な表情で 対処していく奥深い度量があると実感しました。まさしく会社のゴッドファーザーですね。 表情ある音をこれからもクリエイティヴで意外性に満ち溢れたデザインにしていって下さい。 社長の夢が叶うようにお祈り申し上げます。ありがとうございました。

 

インタビュアー:広報委員(株)スーパーテレビジョン松崎俊顕
写真:ウッドオフィスグループ(株)岡村宇之